SUGIMOTO建築デザインコンペティション2020

SUGIMOTO建築デザインコンペティション2020

2次審査結果発表

「SUGIMOTO建築デザインコンペティション2020」に、多数のご応募をいただきました。
ご応募いただいた方には、厚く御礼申し上げます。
去る5月20日に1次審査が行われ、1次審査通過作品8点が決定しました。

2次審査会は6月23日(火)に株式会社シーラ内会議室にて行われ、1次審査通過8組にプレゼンテーションを行っていただき、審査委員による質疑応答、公開審査を経て、SUGIMOTO賞1点、銀賞1点、特別賞1点を決定しました。
また表彰式も行われました。

SUGIMOTO賞(1点/賞金100万円)

山本 周 (山本周建築設計事務所)
共同制作者:黒岩 裕樹 (黒岩構造設計事務所) / 小林 栄範

作品詳細

コメント:石上純也先生より 
今回、最優秀賞であるSUGIMOTO賞に選出された山本・黒岩・小林案は、コンペのテーマである職住一体型の集合住宅という枠を超えて、現代都市に対する建築のあたらしい存在の仕方を示すものである。 

東京のような過密の都市環境のなかに、区画に対して建物のヴォリュームをあえて最大限に満たすのではなく、余白を残しつつ建築を計画していく手法である。その事によって、本来、隣の建物との間にできる薄暗く狭い隙間の空間が巨大化する。 

過密にぎっしりと建物で埋め尽くされた都市の中だからこそ、都市計画的につくられたヴォイドとは全く異なる次元で生み出される「建築的ヴォイド」は都市環境にあらたな意味合いを与える。 

「都市計画的ヴォイド」である前面道路と、提案されている「建築的ヴォイド」に挟まれるようなかたちで極薄の高層建築があらわれる。そこに計画されるすべての部屋も同様にふたつのヴォイドに挟まれ、都市の外部環境を開放的な風と共に感じるようになる。部屋そのものはとてもシンプルで細長く連なる連続的な空間だ。まるでプランそのものの特殊性を極力排除し、巨大なヴォイドに挟まれているその環境的特殊性こそが空間の個性であると強調しているかのようだ。職住一体型のライフスタイルをあたらしい都市環境として提案している。 

確かに、生活と仕事が同じ空間で営まれるようになるときに、外と接する機会は極端に減ることが予想される。魅力的な外部環境の提案はそういう問題を鮮やかに解決しているように思えた。 

また、恥じらうかのように隣の建物から程よく距離をとる薄くて透明感のある建築は、自分勝手にたつ周りの建物と一線を画し、その振る舞いに気品のようなものを感じた。 

 

代表理事:杉本宏之より 

我々デベロッパーは、ついつい商業的に考えてしまう。 

建蔽率、容積率を目一杯とっていくことを考えがちである。しかし、山本さんたちは、今回大きく視点を変えられた。 

『建蔽率を最小限に抑えて、高層化したボリュームを最大限にとる。そして上に建物を伸ばす。』 

という考え方で、コミュニケーションスペースやご友人を呼んでBBQを行うスペース。そして憩いの場を確保し、居住者の方達の為の空間をしっかりと考えている。 

我々、20~40代前半までをターゲットとした単身者向けのマンションの観点から言うと、こうしたうるおいが失われがちな都市生活者にとって、商業的なデベロッパーには思いもつかない、まるでオアシスになるような空間を、建蔽率と容積率というこの全く違う視点で考えられた形で新しい空間を生み出したということは素晴らしいことである。 

また、構造的な不安や障害というのもしっかりとクリアし、我々の新しく生み出す共同住宅の敷地内と、街との完全な隔離化ということに成功しているということが、誠に建築として素晴らしいと感心させられた作品である。 

銀賞(1点/賞金60万円)

葛島 隆之 (葛島隆之建築設計事務所)

作品詳細

コメント:勝田先生より 

「これからの職住一体集合住宅を考える」というテーマをストレートに表現している作品。 

安定感のある下階から上空に向けて薄く軽やかに伸びる建物のフォルムが美しい。 

住宅の側面からみた時にネガティブになりがちな下階二層をテナント貸しする事でビル全体としての付加価値や収益性も考えて計画した事も評価された一つ。 

通り抜けが出来る表と裏にある外部階段から見えてしまう住宅部分のプライベートな箇所を担保出来るアイデアや、実際入居者が入った後の部屋などを目隠しするスクリーンなどがどのように見えるのか? 

などが提案されているとより素晴らしい提案になっていたと思う。 

特別賞(1点/賞金30万円)

増田 信吾 (増田信吾+大坪克亘 建築設計事務所)
共同制作者:大坪 克亘 / 高橋 万里江 / 平川 凌成

作品詳細

コメント:長谷川豪先生より 
職住一体型の集合住宅というコンペのテーマに対して直接的に答えるというよりも、それをより広げて、都市のなかで他者と共有するカフェや電車のなかのような「外部的な刺激のある空間」を集合住宅の内側につくるという新鮮なアプローチが評価された。

さらに彼らは一次審査から二次審査のあいだに案を大きくバージョンアップし、プレゼンテーションによってとりわけ建物中央の吹き抜け空間の性格づけが明確になった。内であり外でもある、専有であり共有でもある、まさに都市のなかに身を置いた時のような、独特な空間の出現を予感させた。

しかしこうした吹き抜け側の半屋外の「特別な空間」に対して、住宅部分を「凡庸な空間」に留めていたのが残念だった。

さらに両者が混じり合うことで、職住一体型どころか、家と都市が一体になったような、まったく新たな集合住宅のカタチを期待させたからだ。

とはいえコンペのプロセスの中でアイデアを大きく育て上げていく彼らの設計力は、我々審査員のあいだに強い印象を残した。 

佳作(3点/賞金5万円)

・斉藤 智士 (建築設計事務所SAI工房)

・白鳥 恵理 (白鳥建築設計研究室)

・殿前 莉世 (東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻)
共同制作者:平井未央 / 福留愛/

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